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株鳥風月

Author:株鳥風月
2003年より株式投資を始める。
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『株 勝率80%の逆張りシステムトレード術』(斉藤正章著)を読む

日々変化する株価は常にファンダメンタルや需給関係に直接連動しているわけではない。
それは常に人の欲望や恐怖を媒介することによって、より複雑に変化する。
ファンダメンタルや需給関係が変化しなくても株価が時々刻々変化するのはそのせいであるといっていい。

ある一定の力を加えられた物体はほぼ理論どおりに動くが、株価が理論どおりに動かないのは、欲望と恐怖という極めて曖昧模糊としたものを媒介しているためであるといって過言ではない。

では株価の動きを「科学的」に扱うことはできないのかといえば、そうともいえない。
ただ株価の動きが科学の対象となり得るのかどうかとなると、議論の別れるところだろうが、ともかくも統計という強力な武器によって、株価の動きに外側から迫ることは可能である。

株価の動きは水に浮かべた花粉の動きと同じように「アトランダム」、つまり、まったくデタラメであるからこれをテクニカルに分析しても何の得るところはないという意見がある。(以下、これを「ランダムウォーク説」と呼ぶ)

いや意見ではなく、多くの実験検証が試みられている。
ここではその詳細に触れるつもりはないが、それらの結論はおおむねランダムウォーク説を支持するものであった。

つまり、ある任意の株価と株価の間には規則性も因果関係もないという。
もしそうなら、過去のデータから一定のルールを導き出し、そのルールの下に売買をして利益が出ても、それが今後も続くという保証はないはずである。

ここで長い前置きが終わり、ようやく本書『株 勝率80%の逆張りシステムトレード術』(このタイトルもかなり長いと思うけど)の内容紹介に入るが、この本は上に紹介したランダムウォーク説に真正面から反論する。

といっても言葉として斎藤正章氏が反論しているわけではなく、ある単純ないくつかのトレードルールを守って売買を続ければ、長期間に渡って必ず利益が出ると主張しているのである。
これは実証的にランダムウォーク説を正面から否定したと同じ意味を持つ。

では、それはどんなルールで、検証(バックテスト)結果はどんなものなのか?

本書ではいくつかのパターンが検証されているが、その中でもっとも単純なルールとその検証結果を紹介しよう。

■仕掛け(買い)ルール
○下記の条件を満たすとき、翌日の寄り突きで買い
・25日移動平均線からの乖離率がマイナス20%以下
・株価(終値)が5円以上

■決済(売り)ルール
○下記の条件を満たすとき、翌日の寄り付きで売り
・株価(終値)が買値よりも10%以上の上昇
・または、買い付けた日から60日間(休日を含め)が経過

■検証結果(検証期間:1983-2005年)
・利益回数:12,580回
・損失回数:3,404回
・勝率:78.70%
・平均損益:7.58%
・平均保持日数:25.82日
・最大平均損益(年):12.01%
・最小平均損益(年): 3.35%

ここで注目したいのは、こんなに単純なルールで売買を続けても過去23年間に1度もマイナスを出してないということである。

私たち投資家は日々、そしてトレードごとにさまざまな買い要因を見つけて投資する。
にもかかわらず、常に利益を出し続けることは難しい。

それなのに、あんなにも単純なルールで売買するだけで利益が出てしまうのだとすれば、投資法をシステムトレードに変えるかどうかは別として、それを知り、自分の投資法に生かすことを考えることは大いに有意義なことではないかと思う。


この本はシステムトレードについての解説本ではない。
だから、そうした本に書かれているようないろいろなテクニックやシステムトレードについての基礎知識が説明されているわけではない。

とはいえ、システムトレードについて初めて本を読むという人にとっても、自分でこれからシステムトレードを構築してみたいという人にとっては、参考になると思う。

知識を持った人なら、例えばリスクマネジメントの説明がないではないか、と非難するかもしれない。

しかし、文章をよく読めば、この著者がそうした知識をきっちり持った上で、リスクマネジメントを取った方がいのか、良くないのかを考慮した上で省略していることが分かるように、この著者は信頼に足りる知性と思考力を持った人のように思える。

そんなことはこの本の何の紹介になっていないといわれるかも知れないが、ギャン理論で知られるギャンが「自分より知識の少ない人の意見を聞くな」といっているのは、人の考えを参考にする場合はその前提としてその人の知性が上等かどうかということが大切だという意味だとすれば、著者が信頼に足る人かどうかは大事な問題だ。

何億円儲けたといった本が溢れているが、実際、知性のかけらも感じられない人間が何をいっても、その人の意見を聞く気にはならない。
というのは彼には、どうしてそれが可能となったのかを客観的に語る能力が恐らく欠けているだろうし、その方法が偶然を排した上でなお有効であるという保証はないだろうから。

ある外国語を習得しようとすれば初級編の前に入門編を学ばなければならないが、その意味ではこの本をシステムトレードの入門書として読むことは意義のあることと思う。

最後に要望のようなものを少しいわせてもらえば、この本に書かれたシステムトレードは逆張りだが、著者も今後の課題としたいといっているトレンド・フォローのシステムについても今後ぜひ意見を聞いてみたいと思う。

また著者の方法はすべての銘柄に一律の乖離率をとっているが、06年にジェイコム株売買で20億円を稼ぎ、現在は100億円以上を稼いだといわれるB・N・F氏はやはり逆張りを基本とし、銘柄ごとに乖離率を設定しているようだけれど、この方法をどう考えるかを聞いてみたい。
システムトレードの欠点が無駄が多いことだとすれば、銘柄ごと乖離率設定の方が効率的であると思えるから。


【後記】
新年おめでとうございます。
今年初めての更新です。
気持ちを新たにするつもりでページのデザインを変えてみました。
今年もよろしくです!

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