ブログなどネットで見る限りでは、個人投資家の大半は短期投資・テクニカル投資派だと思われます。
テクニカルについて学ぼうとすれば、数え切れないほどの本が出ています。
私自身も本棚を探してみたら20冊近い関連本を持っていますが、中でも一番、記憶に残った本がこの本でした。
ここにはローソク足、チャート、トレンド、出来高、移動平均線などはもちろんとして、RSI、ストキャスティクス、MACD、ボリンジャーバンドなどのオシレータについても詳しく説明されています。
種類こそはそれほど多いわけではありませんが、一つ一つを丁寧に説明しています。
それだけでなく、それらのテクニックを実際のチャートを示しながら、ここはこうして読むとか、ここはこうなっているので買いチャンスだといったように、具体的な事例を使いながら説明されているので大変分かりやすいし、実践的です。
といって、この本はたんなるテクニカルの教科書ではありません。
むしろ株式投資の初心者にまず基本的な知識を授け、次には生徒を相場まで連れていき、さあ、実際に株を買うにはこれこれの条件がそろった時にトレードを開始するんですよと教えるきわめて実践的で親切な教科書というべきでしょう。
日本のテクニカリストによって書かれた本が、ファンダメンタルに対するテクニカルの優位性を主張するあまり、ファンダメンタルを無視する傾向が強いのに対し、こちらはファンダメンタルにも目を向ける大切さにも触れています。
また仕掛けた後に必要になるストップロスやトレイリングストップまで説明し、空売りについては一章を割いて説明するなどいたれり尽くせりといった教科書になっています。(註)
この本は当然ながら米国の個人投資家向けに書かれているので、米株式投資環境などを説明している部分は私たちにはあまり縁もないので、こうした部分は読み飛ばせばいいでしょう。
日本語で出版されているテクニカルの入門書は読んだという人、あるいは何冊か読んだけど、どうもピンと来ないという人、「zai」といった雑誌などで少しは知っているつもりだけどテクニカルの基本的なところを勉強したいという人には、この本を薦めたいと思います。
ただし可能な限りさまざまな指標やオシレータを学んでテクニカルを極めたいという人にはこの本は物足らないと思いますので、そういう人にはまたの機会に別の本を紹介できればと思います。
この本を薦める最大の理由は、株を始めたばかりの読者を暖かく励ましながら、何としても一人前のトレーダーとして世に送り出したいという著者の熱意と愛情が行間から感じられるからです。
註…日本人著者が書いた初心者向け株本では、空売りについては「初心者は避けた方がいい」と書いてあるのがほとんどで、このあたりはちょっと日本の本と違っています。
もちろん私は著者に賛成の立場。
相場が常に上昇するわけではない以上、「空売り」なしに相場を乗り切ることは、持っている武器の一つを禁じられたようなもの。
また暴落時にはリスク・ヘッジとしても使える便利なものです。
もちろん「意に反して上昇した場合には限界がない」という危険性を周知しなければいけませんが。
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