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株鳥風月

Author:株鳥風月
2003年より株式投資を始める。
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小説『笑う招き猫』を読んで笑ってる場合ではない

面白い小説を今、読み終えた。
何か面白いものないかと探しているあなた、この小説でも読みなさい。
どんな話かって?
しょうがないなあ、じゃあ簡単に教えます。ってちょっとだけですよ…

駆け出しの女漫才コンビがやりたい放題!
しゃべって泣いて笑って、ついには唄まで歌いだす…

どう? だいたいのイメージ、つかめました?

実は、これ腰巻のコピーをそのまま書き写しただけですが…。

でも、よく書かれていて、ほんとにそのとおりで、これ以上、つけ加えることがないくらいです。

で、何が面白いかというと、アカコとヒトミという二人が漫才師になろうとお笑いの世界に出ていくところを面白く、ときにはちょっぴりほろりとさせるような話なんですが(何だか長いだけで、さっきの本の腰巻より要領悪いですね)、読み終わるころには、すっかりこのふたりのコンビのファンになってしまっているでしょう。

別に目新しいことも、変わった趣向もあるわけでもないのに、なぜかいいんですよね、これが。
笑って、泣けるっていう言い方ってあまりにも陳腐ですが、でもこんな言葉しか思いつかないほど、読者をおばかにしてしまう小説です。


今、少し分かりかけてきたんですが、この小説の良さは小説の良さではなく、主役二人の関係がいいんです。この二人の関係に読者は嫉妬さえ覚えかねない
それくらい、登場人物が生き生きと描写されていて、読んでいるうちに、まるで実在のお笑い芸人のような存在感を持つようになってくるんです。

でも女二人の物語って、どうして良いものが多いんでしょうか?

映画で女二人といってまず思い浮かぶのは「テルマ&ルイーズ」。
何も変わらない日々の生活に退屈した二人の女が家を出、旅に出る。この旅は彼女たちを解放させてくれるが、そのうちに強盗までするようになり…。
このストーリーは映画「俺たちに明日はない」にもなった実在の強盗ボニーとクライド)の悲劇を女二人に変えたものといっていい。
後半になるにつれて次第に追い詰められていく二人が切なくなってくる良い映画でした。

監督はあの「ブレード・ランナー」や「エイリアン」をはじめ「グラディエータ」や「ブラックホーク・ダウン」などを撮ったリドリー・スコット。いつもはSFやらアクション中心のこの人がどうしてこんなに繊細で、女の悲しみにピタッと寄り添うような作品が撮れたのか不思議だった。

そして、「テルマ&ルイーズ」の強盗の部分を強調し、女の暴力を全開させたのが「ベーゼ・モア」。
この映画の二人は男とセックスしては殺しまくるという極悪非道の女。フランス本国では、あまりにも過激だということで上映禁止になったというが、そうした表面的な過激さの裏腹に彼女たちの行動には心に残るある種の悲しみがあった。

以上2本の映画の女たちは友情や連帯感でつながっていたとすれば、恋とか愛といった方がふさわしい関係にある女たちもいる。

「翼をください」は全寮制女子高での二人の話。
反抗的で少年っぽさを持つポーリーは優等生のトリーに友情以上の思いを抱いている。周囲から「レスビアン」といわれるのに恐れをなし、トリーはポーリーから離れようと、ボーイフレンドをつくる。トリーに去られたポーリーの悲しみが切ない。

彼女たちの間に芽生えた感情はレスビアンとは少し違うものだろう。思春期の同性への甘酸っぱい恋のような思いが一転して毒を含んだ苦いものに変わる。この映画も最後があまりにも悲しい。

レスビアンが同性への愛だというなら、性同一性障害を持つ女性が女性に恋してしまうことを何と呼べばいいのだろう。

「ボーイズ・ドント・クライ」でそんな女性を演じたヒラリー・スワンクはこの作品でアカデミー主演女優賞を獲った。(そして今年、二度目の主演女優賞を獲得した。)
恋人(女性)に接する時のヒラリー・スワンクは少年のような初々しさと繊細さを見せてくれた。しかし、やはり結末は悲しい。この映画は、主人公が経験したことをまるで自分が追体験したかのように衝撃を与えてくれた。

でも私がもっとも好きな女二人の映画といえば「カリフォルニア・ドールズ」だ。
監督は「何がジェーンに起こったか」、「特攻大作戦」、「ワイルド・アパッチ」、「北国の帝王」、「ロンゲスト・ヤード」などを撮ったロバート・アルドリッチ。

「カリフォルニア…」はこれまで見てきた映画のように悲しい話ではない。二人の二流女子プロレスラーがマネージャーと3人で旅から旅へと巡業するという一種ロード・ムービー的な話。アルドリッチ作品だから面白くないはずがない。

いつもは汗臭い男の映画を撮ってきたアルドリッチが珍しく女の映画を撮った、それも傑作といっていい映画を撮ったと思ったら、これが遺作になってしまったのが悲しい。

女二人の映画は決まってどこか悲しいところがある…。


最後にもう一つ思い出したのは「下妻物語」。
これも女二人の物語で、ここには悲しみという要素はあまりなく、その代わりに女同士の友情というのがあった。
この「友情」の面白さは一方が熱く、もう一方が冷めているその温度差にあったかもしれない。

「笑う招き猫」の女二人の関係は、これに近いかもしれない。

面白くて切ないといえばいいのか…。

この小説、映画化すればきっと面白いと思うんですが、でも誰か撮らないですかね?
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